転職を考えている子育て中の看護師の皆さん、履歴書の自己PRや志望動機に悩んでいませんか?
「子育てしながら働くことをどう伝えればいいの?」「ブランクがあるけど大丈夫?」と不安に思う方も多いでしょう。
ここでは、自己PRと志望動機を書く際の重要なポイントを具体的に解説します。

履歴書での自己PRの書き方
履歴書の自己PR欄は、採用担当者に自分の強みを伝える大切な部分です。特に子育て中の看護師にとって、仕事と育児を両立する能力や経験を適切に伝えることは重要です。
単に「頑張ります」と書くだけではなく、具体的なエピソードを交えて説得力を高めることが求められます。
自己PRをうまく活用することで、以下のようなメリットがあります。
- 自分の強みを的確に伝えられる
- 育児との両立ができることをアピールできる
- 採用担当者に好印象を与えられる
それでは、具体的にどのように書けばよいのか、詳しく解説していきます。
自分の強みをアピール
自己PR欄では、自分が持つスキルや経験をしっかり伝えることが重要です。特に看護師としての経験がある方は、これまで培ってきた知識や技術をアピールしましょう。
例えば、看護師としての強みには以下のスキルが考えられます。
- コミュニケーション能力:患者やその家族との関わりを大切にし、信頼関係を築くことが得意
- 冷静な判断力:緊急時にも落ち着いて対応できる
- チームワークの大切さを理解している:医師や他の看護師と協力しながら働ける
また、子育てをしていることで養われたスキルも強みになります。
- 時間管理能力:育児と仕事を両立するため、効率的に動くことができる
- 臨機応変な対応力:子どもの急な体調不良などで培われた柔軟な対応力
- 共感力:親の立場で患者やその家族の気持ちを理解し、寄り添える
これらの強みを具体的なエピソードとともに書くことで、説得力のある自己PRになります。
育児との両立を示す
子育てと仕事を両立できるかどうかは、採用担当者が特に気にするポイントです。そのため、履歴書では「どのように両立しているのか」を具体的に伝えることが大切です。
以下のような内容を盛り込むと、採用側に安心感を与えられます。
- 家族の協力体制:配偶者や親と協力して、急な呼び出しにも対応できる
- 保育園や学童の利用状況:勤務時間中の育児環境が整っている
- スケジュール管理能力:家庭と仕事のバランスを取るために工夫している点を伝える
例えば、
「現在、子どもは保育園に通っており、送迎の時間も調整済みです。また、家族と協力しながら急な発熱時なども対応できるようにしています」
といった具体的な説明を加えると、信頼度が上がります。
採用担当者は「この人は安心して働けるか?」という視点で履歴書を見ています。そのため、育児と仕事の両立に対する考えや具体的な対策を示すことが重要です。
具体的なエピソード事例まとめ
採用担当者の目に留まる履歴書を書くためには、具体的なエピソードを入れることが効果的です。「私は責任感があります」と書くだけでは伝わりませんが、エピソードを交えることで説得力が増します。
例えば、以下のように書くと分かりやすくなります。
1. コミュニケーション能力をアピールする
「以前、患者さんが治療に対して不安を感じておられました。そこで、できるだけ分かりやすい言葉で説明し、患者さんの気持ちに寄り添いながら対応しました。その結果、患者さんから『安心しました』と言っていただき、大きなやりがいを感じました。」
2. 育児との両立を示す
「私は二児の母として、時間を有効に活用する力を身につけました。例えば、限られた時間の中で効率的に家事をこなし、子どもとの時間も大切にする工夫をしています。この経験を活かし、仕事でも限られた時間内で優先順位を考えながら業務を進めることができます。」
具体的なエピソードを入れることで、自分の強みや働く姿勢をより明確に伝えられます。
志望動機の書き方のポイント
志望理由は明確に
志望動機を書く際には、なぜその病院や施設を選んだのかを明確に伝えることが重要です。特に子育て中の看護師の場合、勤務時間や働き方の柔軟性、病院のサポート体制などが決め手になることが多いでしょう。
そのため、以下のようなポイントを意識して書きましょう。

1. 子育てと両立しやすい環境であることを伝える
【例文】
- 夜勤がない職場のため、育児と両立しながら長く働けると考えました。
- 子育て支援が整っている環境で安心して働けると感じたため応募しました。
- 短時間勤務が可能であり、子供の送り迎えに支障がないことが魅力でした。
2.看護師としての経験やスキルを活かせることを示す
【例文】
- これまで○○科で培った経験を活かし、患者さんに寄り添った看護を提供したいと思っています。
- 前職で培った緊急対応のスキルを活かし、患者様の安全を第一に考えた看護を提供したいです。
- ○○の専門知識を活かし、患者様のケアだけでなく後輩の指導にも尽力したいです。
3.ブランクがある場合は、学び直しの意欲を伝える
【例文】
- 育児に専念していましたが、医療の知識を深めるために最新の看護技術を学び直しました。
- ブランク中も医療の知識を忘れないように勉強を続けていました。
- 最近では研修に参加し、最新の看護技術を学び直す機会を得ました。
このように、具体的な理由を示すことで、採用担当者に「なぜこの職場を選んだのか」が伝わりやすくなり、好印象を与えられます。
魅力的な自己PRにするための方法と例文
履歴書は、ただの自己紹介ではなく「自分を売り込む場」です。
採用担当者の視点を意識して、以下の点を盛り込みましょう。
1. 子育て中でも仕事に対する意欲があることを強調する
【例文】
- 家庭と仕事を両立しながらも、患者さんに安心を届けられるよう努めたいと考えています。
- 限られた時間の中でも精一杯業務に取り組み、職場に貢献したいと考えています。
- 育児を通じて培った気配りの力を活かし、患者様に寄り添った看護を提供したいです。
2. 時短勤務やパートでも即戦力になれることを伝える
【例文】
- 限られた時間の中でも、経験を活かし、チームに貢献したいです。
- 短時間勤務でも効率よく業務を進めるスキルを持っています。
- 前職ではパートとして働きながら、業務の改善提案なども積極的に行っていました。
3. 過去の経験を活かした貢献をアピールする
【例文】
- 前職では新人教育にも携わっていたため、後輩の指導にも積極的に取り組みたいです。
- これまで○○科での経験を活かし、チーム医療の中で主体的に行動したいと考えています。
- ○○の専門知識を活かし、患者様へのより良いケアに貢献したいです。
自分の強みをしっかり伝えることで、採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらえるでしょう。
面接時に好印象を与える方法と例文
履歴書の志望動機は、面接でも質問される可能性が高いです。
そのため、以下のポイントを押さえておくと面接での印象もアップします。
1. 一貫性を持たせる
履歴書と面接で話す内容にズレがないようにしましょう。
【例文】
- 育児と仕事の両立がしやすい職場を希望しています。
- 貴院の方針に共感し、患者様に寄り添った看護をしたいと考えています。
- ○○の分野に特化した職場で、自身のスキルをさらに向上させたいと考えています。
2. 前向きな言葉を使う
「○○ができない」より「○○を活かしたい」と伝えましょう。
【例文】
- 時短勤務でも即戦力になれるよう努力します。
- 新しい環境に適応しながら、チームの一員として貢献したいです。
- これまでの経験を活かしながら、新しいことにも積極的に挑戦したいと考えています。
3. 笑顔と自信を持って話す
第一印象はとても重要です。面接時には以下の点を意識して挑みましょう。
【例文】
- はっきりとした口調で話し、笑顔を忘れない
- 面接官の目を見てしっかりと受け答えを心がける
- 明るく前向きな姿勢を意識し、自分らしさを伝える
履歴書の志望動機をしっかり考え、それに沿った受け答えができるよう準備しておくことが大切です。
看護の分野別志望動機の事例集
急性期病院の場合
志望動機のポイント
- 急性期病院では、迅速な判断力とチームワークが求められます。
- 子育て経験を活かし、冷静な対応や柔軟な考え方が強みになります。
- ブランクがある場合は、学び直しの意欲を伝えましょう。
例文
- 私は以前、○○病院の内科病棟で看護師として働いていましたが、出産を機に退職しました。子育てを通じて、限られた時間の中で的確な判断をする力や、相手の気持ちを汲み取る大切さを改めて学びました。
- 貴院は急性期病院として高度な医療を提供しており、患者さんの容体が日々変化する環境で、迅速な対応が求められることを理解しております。私は、子育ての中で培った冷静な判断力と臨機応変な対応力を活かし、貴院のチームの一員として貢献したいと考えております。
- ブランクがあるため、最新の医療知識や技術を学び直しながら、一日も早く即戦力になれるよう努力いたします。
訪問看護の場合
志望動機のポイント
- 訪問看護では、患者さんとじっくり向き合う姿勢が大切です。
- 子育て中の看護師ならではの気配りや生活支援の視点を伝えましょう。
- 時間管理能力や家庭との両立をアピールできます。
例文
- 出産前は病棟で勤務しておりましたが、育児を経験する中で、在宅での療養生活を支える訪問看護の重要性を実感しました。子どもの体調管理をする中で、医療的ケアが必要な方に寄り添い、生活をサポートすることの大切さを学びました。
- 訪問看護では、病棟とは違い、患者さん一人ひとりと向き合う時間が長くなります。私は、患者さんの気持ちや生活背景を理解しながら、その方に合った看護を提供したいと考えております。
- また、育児と仕事の両立を図る中で、効率よく動く力や時間管理能力が身につきました。これらの経験を活かし、訪問看護師として貢献できるよう努力してまいります。
小児科の場合
志望動機のポイント
- 小児科では、子どもとのコミュニケーションが重要です。
- 親の気持ちに寄り添う視点を持つことが強みになります。
- 子育て経験を活かして、安心感を提供できることをアピールしましょう。
例文
- 私は自身の子育てを通じて、子どもの健康や成長に関心を持つようになりました。育児経験があるからこそ、病気の子どもを抱える親御さんの不安な気持ちに寄り添い、安心感を与えられる看護師になりたいと考えております。
- 貴院は小児医療に力を入れており、多くの親子が来院されると存じています。私は、子どもと接することが好きで、子どもが怖がらずに診察や処置を受けられるよう、笑顔で接することを大切にしています。また、自身の経験を活かし、親御さんにもわかりやすい説明を心がけ、信頼関係を築いていきたいと思います。
- 小児科は、子ども一人ひとりの成長を支える大切な場所です。私は、看護師としての知識や技術を活かしながら、親御さんと協力し、お子さんの健康をサポートできるよう努めます。
転職時のブランクの説明方法
育児によるブランクがあると、転職時に不安を感じる方も多いでしょう。しかし、しっかりとした説明をすれば、採用担当者に安心してもらえます。
ここでは、育児によるブランクをどのように説明すればよいかを解説します。
育休中の過ごし方をアピール
育児休暇をどのように過ごしていたかを伝えることで、計画的に行動していたことをアピールできます。以下のような点を意識して伝えるとよいでしょう。
- 育児と両立できる勉強:医療や看護の知識を保つために、書籍やオンライン講座を活用したこと。
- 資格取得やスキルアップ:例えば、認定看護師や特定の医療スキルを身につけるために勉強したこと。
- 地域の医療活動への参加:ボランティア活動や育児支援センターでの交流を通じて、医療従事者としての視野を広げたこと。
例えば、面接では次のように伝えると好印象です。
例文
- 育児休暇中も医療の知識を忘れないように、専門書を読んだり、オンラインセミナーに参加したりしていました。また、地域の育児支援活動にも関わり、親子の健康管理について学ぶ機会を得ました。これらの経験を生かし、現場に早く適応できるよう努力したいと考えています。
ブランクを補う努力をアピール
ブランクがあっても、その期間に努力を重ねていたことを伝えると、前向きな姿勢をアピールできます。以下のような点を整理するとよいでしょう。
- 最新の医療知識の習得:看護雑誌や学会のウェブサイトを活用したこと。
- 技術の維持・向上:家族の健康管理を通じて、実践的なスキルを維持したこと。
- 復職準備のための研修参加:復職支援プログラムや病院の勉強会への参加。
このように伝えると、ブランクがあっても意欲的であることが伝わりやすくなります。
例文
- 育児中も、定期的に医療情報をチェックし、最新の治療法やケアの方法を学んでいました。また、看護技術を忘れないように、家族の健康管理を工夫しながら実践していました。さらに、復職支援の研修にも参加し、現場に戻る準備を進めてきました。
ブランクの正直な伝え方
面接では、ブランクがあることを正直に伝えながらも、前向きな姿勢を示すことが大切です。嘘をつく必要はありませんが、伝え方を工夫することで好印象を与えられます。
- 「ブランクがあるからダメ」と思わない:育児も立派な経験であり、看護師として生かせる部分も多い。
- ポジティブな言葉を選ぶ:ネガティブな表現よりも、「この経験を生かして頑張りたい」という姿勢を強調する。
- 過去ではなく未来に焦点を当てる:ブランクがあった理由よりも、「これからどう活躍できるか」を伝える。
例えば、このように伝えることで、育児によるブランクがあることを前向きなアピール材料にできます。
例文
子育てのためにしばらく現場を離れていましたが、その間も医療情報を学び続け、復職に向けて準備してきました。子育てを通じて患者さんやご家族の気持ちに寄り添う大切さを再認識し、この経験を看護に生かしていきたいと考えています。
育児によるブランクは不安に感じるかもしれませんが、「どのような経験をして、どんな努力をしてきたのか」を明確に伝えられれば、転職時に強みとして伝えることができますよ。
志望理由を完成させる手順
転職活動を進める際、履歴書の志望動機は採用担当者に強い印象を残す大切な要素です。
特に子育て中の看護師が転職を考える場合、家庭との両立をどう考えているか、どのように貢献できるのかを明確にすることが重要です。
ここでは、志望動機を具体化するための手順を詳しく解説します。
これまでの経験を整理する
まず、これまでの経験を振り返り、どのような看護を行ってきたのか整理しましょう。
1. これまでの職歴を振り返る
- どのような病院・施設で働いてきたか。
- 担当していた診療科や業務内容。
- やりがいを感じたエピソード。
2. 子育て経験を活かせるポイントを考える
- 家庭と両立する中で得た気づき。
- 時間管理やマルチタスク能力の向上。
- 小児看護や高齢者ケアへの理解が深まった点。
3. 転職先でどのように活かせるかを明確にする
例えば「これまでの経験を活かしながら、ワークライフバランスを大切にできる環境で働きたい」と伝えるとよいでしょう。
例文
- 私はこれまで〇〇科の看護師として勤務し、多くの患者さまのケアに携わってきました。現在は子育てをしながら家庭と仕事の両立を意識しており、その経験を活かして効率的な業務遂行を心がけています。貴院では〇〇の分野に力を入れているため、私の経験を活かしつつ、患者さまにより寄り添った看護を提供したいと考えています。
- 子育てをしながら働くことで、時間管理や優先順位をつけるスキルが向上しました。この経験を活かし、貴院で効率的かつ質の高い看護を提供したいと考えています。
- 小児看護の経験と自身の子育て経験を活かし、より親身なケアを提供できると考えています。患者さまやご家族が安心できる環境づくりに貢献したいです。
職場に貢献できることを示す
志望動機では、自分が応募先の病院にどう貢献できるのかを示すことが大切です。
次のステップで考えてみましょう。
1. 病院の理念や方針を調べる
- ホームページや採用情報を確認。
- 求められる人物像や看護の方針を理解。
2. 自身の経験と照らし合わせる
- これまでの経験がどう活かせるか考える。
- 例えば、時短勤務でも高いパフォーマンスを発揮できる点を強調。
3. 具体的な貢献ポイントを挙げる
- 業務の効率化やチームワークへの貢献。
- 患者さまへの対応力。
例文
- 貴院では〇〇に注力されており、私も同じ考えを持っています。これまで培った〇〇の経験を活かし、貴院の患者さまに寄り添った看護を提供したいと考えております。また、子育てを通じて学んだ効率的な業務遂行や、限られた時間の中での適切な判断力を発揮し、チームに貢献できると確信しております。
- 患者さまの安心につながる丁寧な対応を心がけています。これまでの経験を活かし、貴院のチームの一員として貢献したいです。
- 限られた時間の中で効率的に業務を行うスキルを活かし、貴院の業務改善にも貢献したいと考えています。
自分自身のビジョンの明確にする
転職を成功させるためには、単に「働きたい」という気持ちだけでなく、将来のキャリアビジョンを持つことが重要です。
次のステップで整理していきましょう。
1. なぜこの病院を選んだのかを整理する
- 他の病院ではなく、ここを選んだ理由。
- 例えば「子育て支援制度が充実している」や「小児科があるため子育て経験を活かせる」など。
2. 自身の成長目標を考える
- 5年後、10年後にどのような看護師になりたいか。
- 例:「今後は後輩指導も行いながら、よりよい看護を提供できる存在になりたい。」
3. 患者や職場にどのような影響を与えたいか
- 患者への対応力向上。
- 職場の環境づくりへの貢献。
例文
- 私は今後、看護師としてさらなる成長を遂げたいと考えております。特に、〇〇分野においてスキルを磨き、患者さま一人ひとりに寄り添った看護を実践したいと考えています。また、子育て中の看護師として、同じ立場の方々のロールモデルとなるような働き方を実現し、職場全体の働きやすい環境づくりにも貢献したいです。
- 将来的には専門性を深め、より多くの患者さまをサポートできる看護師を目指したいです。
- 子育て中の看護師が安心して働ける環境をつくるため、職場のサポート体制の改善にも関わりたいと考えています。
まとめ
子育て中の看護師が転職を成功させるためには、
- これまでの経験を活かす
- 転職先にどう貢献できるか示す
- 自身のビジョンを明確にする
これらを意識して、履歴書の志望動機や自己PRを作成しましょう。
特に子育てとの両立を考える場合、時間管理能力や臨機応変な対応力が強みとなります。しっかりと自身の魅力を伝え、希望する職場での採用を勝ち取りましょう。