看護師の悩み

若手看護師のうつ病体験談。私が病気を乗り越え転職するまでのお話

看護師 うつ病 体験談

看護師としての仕事と私のうつ病体験

看護師の職場環境とストレス

私は病棟で働いていた看護師2年目にうつ病を経験しました。

看護師という職業は、実際に働いてみると思っていた以上にハードなものでした。

  • 患者さんの命を預かる仕事で責任が大きい
  • 常に緊張感のある現場で、ミスのない仕事が求められる
  • シフト制で夜勤も多い

病棟時代は毎日このような環境の中で働いていました。

また、私が働いていた病院では人手不足の影響で一人あたりの業務負担が大きく、身体的にも精神的にも大きな負担がかかっていました。慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れにも悩まされていました。

そんな日々の激務の中で私はストレスがどんどん蓄積していきました。

うつ病の発症とその症状

新人看護師として働き始めた当初は、「大変だけど頑張ろう」という気持ちで前向きに仕事に取り組んでいました。

しかし、あるとき仕事で大きなミスをしてしまい、職場の医師からきつく叱責を受ける出来事がありました。周りの同僚や先輩にもとても迷惑をかけ、申し訳なさや情けなさで胸が苦しくなり、自信を喪失してしまいました。

それをきっかけに、次第に気分が落ち込む日が増え、何をしても楽しいと感じられなくなりました。

食欲が減退し、眠れない日々が続き、朝起きることさえ辛くなっていきました。仕事に対する意欲が低下し、患者さんと接することが苦痛に感じるようになり、自分は看護師に向いていないのではないかと悩むようになりました。

新人看護師としての苦悩

新人看護師としてのプレッシャーは想像以上に大きいものでした。

当たりの強い先輩や上司からの厳しい指導に耐えながら、ミスを恐れ、毎日必死に仕事をこなしていました。ときには先輩に質問をするのも怖く、失敗するたびに自分を責め続けました。

また、物覚えの悪い私は同期と比べて自分の成長が遅いと感じ、劣等感を抱くことも多かったです。

そのような環境の中で、次第に心が疲弊し、うつ病を発症してしまいました。

うつ病と向き合ったきっかけ

心療内科の受診

自分では「ただの疲れ」だと思っていたものの、家族や友人から「最近様子が変だよ」と指摘され、看護師2年目のときに心療内科を受診することを決意しました。

初めは「自分が心療内科に行くなんて」と抵抗がありましたが、医師と話すことで自分の状態を客観的に理解することができました。

最終的に「うつ病」という診断を受け、適切な治療を開始することで、少しずつ気持ちが軽くなり、改善の兆しが見え始めました。

心身の不調に気づくサイン

振り返ってみると、うつ病のサインはいくつもありました。

たとえば、

  • 朝起きるのが異常に辛い
  • 何をしても楽しめない
  • 食欲の低下
  • 慢性的な疲労感
  • 集中力の低下

これらの症状が続いている場合は、早めに専門家に相談することが大切です。私ももっと早く自分の異変に気づき、対処していれば、ここまで悪化することはなかったかもしれません。

業務との両立の難しさ

うつ病と診断されてからも、なかなか職場に報告することができず、しばらくは仕事を続けていました。ですが、病気と向き合いながら看護師の仕事を続けることは決して簡単ではありませんでした。

自分の中でやらなくていい仕事は手を抜くなど出来る範囲で業務の負担を減らしたり、仕事のペースを落としたりする工夫しながら、

また、プライベートの時間にはできるだけリラックスするよう心がけ、趣味やリフレッシュできる時間を大切にしました。

職場の環境と私の心の状態

ストレスが多い職場の影響

看護師の仕事は責任が大きく、日々の業務に追われる中でストレスが蓄積されていきました。

人手不足による業務の負担増、患者さんやその家族からの対応、夜勤の連続など、精神的にも肉体的にも限界を感じることが増えました。

その結果、不眠や食欲不振、常に気分が落ち込む状態が続くようになりました。

周囲の理解とサポート

うつ病の症状が現れる中で、職場の上司や同僚に相談することができました。幸いにも、理解のある先輩看護師が「無理しすぎないで」と声をかけてくれたことで、少しずつ自分の状態を認めることができました。

また、産業医の面談を受ける機会があり、適切なアドバイスをもらうことができたのも大きな支えとなりました。

休職を選択した理由

無理をしないための判断

ある日、仕事中に突然涙が止まらなくなり、「このままではダメだ」と強く感じました。

自分を守るためにも、思い切って上司に相談し休職を決断しました。休職することで、自分の心と向き合い、回復する時間を確保できると考えました。

休職中の心の変化

休職当初は「職場に迷惑をかけてしまった」という罪悪感に苛まれました。しかし、時間が経つにつれて「まずは自分の心を大切にしよう」と思えるようになりました。

日々の生活リズムを整え、好きなことに時間を使うことで、少しずつ気持ちが前向きになっていきました。

治療経過

心療内科を受診し、医師と相談しながら治療を進めました。カウンセリングを受けることで、自分の考え方のクセやストレスの対処方法を学び、適切な薬の処方も受けました。

私は何でもネガティブに考えすぎてしまう性格で、小さな失敗をずっと引きずってしまうところがありました。カウンセリングをきっかけに、上手な気持ちの切り替え方を学べたことが仕事においてもプライベートにおいても自分の心を守るのに非常に役立ちました。

治療を継続する中で、少しずつ気持ちが安定し、前向きな気持ちが生まれるようになりました。

復職への道のり

復職に向けた準備

復職に向けて、まずは主治医と相談しながら計画を立てました。

無理のない範囲で少しずつ社会復帰のリズムを作るために、ウォーキングや読書などを日常に取り入れ体力や集中力を回復させるよう努力しました。また、職場の上司とも連絡を取り、復職のタイミングや業務内容について調整を行いました。

精神的な負担軽減方法

復職後に再びストレスで体調を崩さないよう、ストレスマ管理を意識しました。具体的には、

  • 業務の優先順位をつけ、無理をしない
  • 休憩時間を意識的に取る
  • 同僚や上司とこまめにコミュニケーションを取る

といった工夫をしました。

業務復帰後のメンタルチェック

復職後も定期的に自分のメンタル状態をチェックすることを心がけました。疲れを感じたらなるべく早めに休息を取り、必要であれば医師と相談するようにしました。また、仕事上で悩みがあるときは、周りの同僚や先輩に相談し、自分一人で抱え込まないように意識しました。

うつ病からの回復と気づき

改善に向けた具体的な方法

うつ病の改善には、まず自分の状態を正しく理解し、受け入れることが重要でした。私は専門医のカウンセリングを受け、薬物治療を併用することで少しずつ気持ちが安定していきました。

また、生活習慣の見直しも大きなポイントでした。規則正しい睡眠をとること、栄養バランスのとれた食事を意識すること、適度な運動を取り入れることが、心の健康に良い影響を与えてくれました。特に、仕事の行き帰りに最寄り駅の1つ前で電車を降り、ウォーキングを習慣にしたことで、気持ちのリフレッシュができるようになりました。

さらに、仕事とプライベートのバランスを考え、無理をしないようにしました。職場では頼れる同僚に相談したり、自分のキャパシティを超えないように調整することで、ストレスを軽減する工夫をしました。

私自身の変化と成長

うつ病を経験したことで、私は自分自身の心と向き合う大切さを学びました。それまでは「頑張ることが正義」と考えていましたが、無理をし続けることが必ずしも良いわけではないと気づきました。

また、他人に頼ることの大切さも実感しました。以前は何でも一人で抱え込んでしまっていましたが、周囲の人に助けを求めることで、精神的な負担が軽くなることを知りました。

この経験を通して、同じように悩んでいる人に寄り添う力がついたと思います。患者さんだけでなく、同僚や後輩の気持ちにもより敏感になり、声をかけることが増えました。

看護師としてのやりがい再発見

うつ病を乗り越えたことで、改めて看護師という仕事の意義を感じるようになりました。患者さんの心のケアを大切にするようになり、以前よりも寄り添った看護ができるようになったと実感しています。

また、同じように精神的に辛い思いをしている患者さんに対して、より共感しながら関わることができるようになりました。自分の経験を活かして、患者さんが少しでも安心できるような関わり方を意識しています。

さらに、看護師としての自分の強みや得意分野を見つめ直すきっかけにもなりました。以前はただ業務をこなすことに必死でしたが、今では「どんな看護がしたいのか」「どんな患者さんに貢献したいのか」を考えながら仕事をするようになりました。

転職を考えた理由と行動

適した職場環境の見つけ方

うつ病を経験したことで、自分に合った職場環境の重要性を強く感じました。過度なストレスを避けるために、自分にとって働きやすい環境を見極める必要がありました。

そこで、まずは現在の職場での働き方を見直し、負担を減らす方法を模索しました。しかし、どうしても業務量の多さや職場の雰囲気が合わず、転職を決意しました。

転職活動では、職場の人間関係や労働環境を重視し、病院の口コミから実際の雰囲気を確認しました。また、自分の求める条件(勤務時間、業務内容、精神的な負担)を明確にし、無理なく働ける環境を探しました。

メンタルヘルスサポートを重視

転職を考える中で、勤務条件だけでなく、メンタル面での支援体制が整っている職場を選ぶことも重要だと感じました。職場のメンタルヘルスサポートが充実しているかどうかは、長く働き続けるうえで大切なポイントでした。

例えば、定期的なカウンセリングが受けられる環境や、相談しやすい上司や同僚がいる職場を優先しました。さらに、ワークライフバランスを大切にする文化があるかどうかもチェックし、自分が無理せず働ける場所を探しました。

新たな職場での挑戦

別の病院に転職してからは、最初こそ不安もありましたが、徐々に環境に慣れ、前向きに働けるようになりました。自分に合った職場を選んだことで、ストレスも大幅に軽減され、心の余裕を持って仕事ができるようになりました。

また、同じ看護師という職種なので、以前の経験を活かしながら働くことができました。自分のペースを大切にしながら、患者さんや同僚との関係を築いていくことで、自信も取り戻すことができました。

転職を決断するのは勇気がいりますが、自分にとって最適な環境を選ぶことが、結果的により良い看護につながると実感しています。うつ病を乗り越えたことで、自分の働き方を見直すきっかけになり、新たなチャレンジができました。人間的にもより一回り成長できたなと感じています。